明誠学院高等学校 *
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平成19年3月1日(木)
いつの間にか時が流れ、とうとうこの日を迎えました。
ご卒業おめでとうございます。



 日本列島各地から花の便りが届く今日3月1日、421人の若人が明誠学院高等学校を巣立っていきました。
 卒業証書授与式は凛とした空気のなか、まず小野正人校長が「地球が形成されたのが46億年前、人類の祖先が地球上に姿を現したのが700万年前、以来5回の生物大量絶滅があった。第6回目を阻止すべく立ち上がれ その先には『名高い恋の物語』も生まれよう」と語る式辞に続き、来賓祝辞、卒業証書を受け取ったのは特別芸術コース岡本憲治君、送辞は生徒会長の吉田敦雅君が在校生を代表して読み上げました。それに応えて前生徒会長丸田遼祐君が感謝とこれからの希望を述べました。最後は卒業生をすぐ傍らで応援し続けてきた学年団を代表して第3学年教育部長の奥山先生が「『美しい国』を本校で培った『誠』で探し続けて欲しい」と万感の思いを込めて語りかけると卒業生や会場からは感極まり、涙にむせぶ姿が見受けられました。
 卒業する皆さんの三年間に思いを廻らすとき胸に熱いものがこみ上げます。しかし皆さんの顔の輝きは涙を乗り越えた者だけが持つ強さも秘めています。これからの道が辛く険しくとも力強く歩んでください。この学校で困難にうち勝つ力を身につけた皆さんにはできるはずです。
 最後に皆さんの前途に幸多かれと祈ります。             教職員一同

 

画:山本浩一(国語担当)

 

 

卒業式式辞

 式辞に先立ちまして、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方、本日は公私ご多用の中ご臨席いただきましたこと厚く御礼申し上げます。
 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。この慶びの日をみなさんとともに迎
えられたことを教職員共々心から嬉しく思います。皆さんにとって今日の日が特別な日であるように私にとっても生涯忘れることのできない日です。明誠学院高等学校校長として初めて君たちを送り出すことになりました。
 保護者の皆様におかれましてもこの日を迎えられることをさぞかし心待ちにされたことと存じます。まことにおめでとうございます。

 さて、今年はとても暖かい冬でした。関東では2月に桜や向日葵まで花を咲かせたと報じられておりました。その中、気候変動に関する政府間パネルの報告が2月に発表されました。このまま地球の温暖化が進んだ場合、21世紀末に海面の上昇がもたらす洪水被害は地球人口の5分の1に影響を与えるとのことです。
 フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの言葉を思い出します。
 「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終るだろう。」
 なんと恐ろしくも現実味を帯びた言葉でしょう。銀河系の中に地球が形作られたのは今から46億年前、人類の祖先が地球上に姿を現したのが700万年前、この間に5回生物が大量に絶滅したそうです。6度目の生物大量絶滅を人類が自らの手で引き起こすということになってよいのでしょうか。
 私たちの現在と未来は決して明るいものではありません。しかし、私たちが、取り分けて若い皆さん一人ひとりがどのように生きるかということによって、希望の持てる現在の先に明るい未来を描くことができるはずです。
 皆さんは明誠学院入学以来ボランティア活動や、部活動など様々な形で自分たちの活動が人々に感動を与え、感謝されることを学んできたはずです。一人ひとりのささやかな行動が大きな変革をもたらすこともあるのです。卒業後の皆さんの自己実現がより多くの人の幸せとよりよい社会の実現に結びつくことを願ってやみません。その道は決して平坦な楽なものとは限りません。いくつもの困難と挫折が待ち受けていることでしょう。しかし、どうか、皆さんは恐れず、可能性を信じて歩んでいってください。
 
 最後に私が皆さんの年頃に出会った詩の一節を紹介して餞の言葉といたします。

 とほくまでゆくんだ
僕らの好きな人々よ
妬みと妬みを 絡み合はせてみても
窮迫した僕らの生活からは
名高い恋の物語は生まれない
(吉本隆明「泪が涸れる」)
 皆さんの前途に「名高い恋の物語」が生まれることを祈っています。 
 お元気で、また会いましょう。


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